抗真菌薬ってなに?どんな効果?

抗真菌薬とは現在の世界で広く利用されている医薬品の一種です。
人に対して投与されるということはもちろん、配合などを変えて農薬として使用されることもあるほど、人の生活と密接にかかわっている薬でもあります。
ではこの抗真菌薬というのはそもそも何かというと、その名の通り「真菌に対して抵抗する作用を持つ薬」です。
真菌というのは自然界に存在する生物のカテゴリの一種であり、細菌よりも形状が大きく、また高度な仕組みを有した生物です。
真菌が持つ性質は人間にとって有用なものも多いのですが、しかしどのような物でも状態が変われば害になることがあります。
例えばカンジダ症は人の消化管に常在する真菌の一種です。
常在菌であるため体内にあるだけで悪さをすることはないのですが、性行為などを通じて咽頭や食道、膣などに付着してしまうと、そこで出血や痛み、違和感といった症状を引き起こすことになります。
そうした症状が引き起こされてしまった場合には患部から真菌を除去しなくては治療が出来ないため、抗真菌薬が使われるということになるのです。
さて、抗真菌薬が持つ作用と、そもそも真菌とは何かということはここまでで説明してきましたが、その効果としてはどういったものがあるかを見ていきましょう。
これはそれぞれの医薬品によっても異なるのですが、先に述べたカンジダ症によく利用される「ポリエン系」と呼ばれる分類の物だと、これは真菌が持つ細胞膜を破壊することで真菌を除去する効果を持ちます。
真菌は中心となる核を覆うように細胞膜と細胞壁があり、これが維持されることによって真菌は生存することができます。
この真菌の細胞膜は主にエルゴステロールという成分で構成されているのですが、ポリエン系の薬品はこのエルゴステロールを破壊する効果を持っています。
エルゴステロールが破壊されることで細胞膜には穴があき、そこから真菌の生存に不可欠な細胞内の成分を流出させることで真菌を死滅させるのです。
例えるならば人の血管を破ってそこから血液が大量に流れるようにし、大量失血を意図的に起こすというような効果です。
一見すると恐ろしいようにも見えますが、人の細胞にエルゴステロールは使用されていませんから、人の細胞に穴が開くことはありません。
そのため医師の指導に基づいて適切な使用を心掛ければ安全性は非常に高い薬品と言えます。
抗真菌薬は種類によって効果が異なりますが、多くの効果はこれと同様で「真菌を生存できない状況に追いやる」という仕組みを有しているのです。